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「ご苦労様」と心を込めて挨拶~落語家 三遊亭好楽師匠

第13回コラム

  • 日本テレビ「笑点」の大喜利メンバーとしてお馴染みの落語家三遊亭好楽師匠は、1946年、8人兄弟の6番目として東京に生まれた。警察官だった父が、40歳代で急死。大家族の大黒柱を失い、母は得意の編み物などで、子どもを育てることになり、兄や姉も働いていた。
    ある朝、兄に起こされて連れて行かれたのが、大塚駅前の朝日新聞専売所だった。まだ小学校3年生、まるで新聞が歩いているようだったという。そして高校1年まで7年間、休刊日のなかった時代のこと、一年365日新聞を配った。朝刊1700円、夕刊1300円合わせて3000円の給料袋を渡すと、母は必ず仏壇に供えて父に報告した。
    好楽師匠が、落語家を目指すことになったきっかけは母が聴いていた夜のラジオだった。師匠の言葉によれば「鬼のような」厳しいおふくろが笑っている。一緒に聞いていて、すっかりそのとりこになり池袋演芸場に毎日通った。高校を卒業し、受験勉強をしていても落語のことが頭を離れず、ついに八代目林家正蔵の門を叩き4日間通いつめて入門を許されたという。正蔵死去の後、三遊亭円楽一門に移籍した。
     師匠は落語の他に、講演活動で全国をまわる。特に高校では「胸はずむ個性」という演題で話し、高校生に挫折を恐れず、そのプロセスを大切に生きるよう呼びかけている。
     そして、いま師匠が心がけているのは、配達の人、道路工事の人などと、目と目が合えば「ご苦労様」と心を込めて挨拶をすること。自分の経験から得たことだ。「新聞配達をしている皆さんもそういう大人になって欲しい」と師匠はいう。
    新聞奨学生として勉学に励んでいる人も、新聞奨学生を目指している人も今の苦労が、きっと豊かな深い人間性を培ってくれるだろう。新聞奨学生ガイドは君たちを応援しています
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