天体観測に魅せられて|アマチュア天文家 渡辺和郎さん
第27回コラム
- 流星・彗星・小惑星などの太陽系内天体の観測者として活躍するアマチュア天文家 渡辺和郎さん。天文学に興味をもったきっかけは本屋で偶然見かけた天文雑誌の望遠鏡の広告だったという。
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がぜん望遠鏡を買いたくなった渡辺少年。購入のために中学に入ると直ぐに新聞配達のアルバイトを始め中学2年生で待望の望遠鏡を購入、天体観測にのめりこんだ渡辺さんは、中学、高校の6年間、いろいろな機材を手にいれるため、新聞配達を続けた。
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「時には、朝刊2紙に夕刊も。釧路ですから冬は零下二十度に。でも寒いのは当たり前、片親で貧しかったので上の兄弟二人も新聞配達をしていたし、ごく自然でした」と渡辺さんは言う。
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27歳の頃から北海道内に住む友人たちと本格的に小惑星探索を始め、5年後の1988年に初めて小惑星「知床」を発見した。
以来800以上の小惑星を発見した。小惑星だけは発見者に自由な命名を提案する権利が認められているそうで、渡辺さんは主に「オホーツク」「阿寒」「大通り公園」「時計台」など北海道ゆかりの命名をしてきた。中には「たこやき」「寅さん」などという楽しい名前もある。
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今も「北海道彗星・小惑星会議」を主宰、「札幌天文倶楽部」会長として天文に関する執筆、講演に活躍する渡辺さんは自らのアルバイト体験を「お金のためではあっても、毎日の自然の変化や厳しさ、そして景色の変化に誰よりも多く接することができたのは自分にしか体験できない財産」と振り返る。
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今、新聞配達をしながら学んでいる君たちも、その日々が大切な財産となるだろう。新聞奨学生ガイドは君たちを応援しています。
- *新聞配達をした著名人を知っている方はぜひ編集部までお知らせ下さい!
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