「おかげさまで」が口癖|羽衣国際大学 現代社会学部 准教授 にしゃんたさん
第30回コラム
- スリランカ出身、社会人落語家でタレントとしても人気者のにしゃんたさんが、最近『日本で知った「幸せ」の値段』という本を出版した。
お父さんが家を担保にして作ってくれた7万円を握りしめ片道の航空券で日本にやって来たにしゃんたさんが、その25年間の生活、そして日本観を<お金>をキーワードにして綴ったものだ。
軽妙な関西弁の語り口の中に、鋭い文明批判、そして温かい人間観察のちりばめられた面白い一冊である。
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温泉旅館に住み込み、布団の引き上げ、風呂掃除などのアルバイトをしながら来日一年で日本語能力試験一級に合格したにしゃんたさんは、京都嵐山で新聞奨学生をしながら立命館大学に。
経営学部を学部総代で卒業するがバブル崩壊後の日本では就職が出来なかった。かといって国へ帰る気持ちもなかったので、友人の「じやぁ大学院に行ったら」の一言で大学院に進学、その後博士号も取得し大学の准教授を務めるまでになる。
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著書の中でにしゃんたさんは、新聞奨学生としての生活がとても楽しかったと語っている。地域の人から可愛がられ配達担当地区でのお祭りや運動会によく参加した。
大学の3回生になり奨学金がもらえ、新聞配達をしなくても生活できるようになっても新聞配達を辞めなかったが、「それは僕を拾ってくれた新聞集配所の店長さんへの恩返しの気持ちもあった」という。
にしゃんたさんの日本人的な義理堅さのようなものが、日本での成功につながる人間関係を生み出していったのだろうか。
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本の最後には「おかげさまで この言葉は、僕の一番好きな日本語です。口癖にもなっています。」と書いてある。
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新聞配達をしながら勉学に励む君たちも、そんな素晴らしい人間関係に恵まれますように。
新聞奨学生ガイドは君たちを応援しています。
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にしゃんたさんオフィシャルホームページ
- *新聞配達をした著名人を知っている方はぜひ編集部までお知らせ下さい!
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