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奄美の海と大地から生まれた温かい|歌声タツヒロ(村山辰浩)

第33回コラム

  •  タツヒロさんは、鹿児島県奄美大島最北端、奄美空港のある笠利をベースに活動を展開しているユニークなデユオ、「カサリンチュ」のひとり。「カサリンチュ」とは笠利の人という意味である。メンバーのコウスケ(本名朝光介)さんとは中学・高校の同期で、バンドを組んでいた。高校卒業後、それぞれ横浜と東京の専門学校に。タツヒロさんは音響の専門学校に通っていたが、都会には住めないなと感じ始め、卒業したら島に帰ろうと決めていた。
  •  奄美に帰ってから、やはり帰っていたコウスケさんと、またなんとなく二人で始めて集落のお祭りや結婚式で歌っていた。タツヒロさんはサトウキビの製糖工場で、コウスケさんは弁当屋や居酒屋で働きながらの音楽活動。タツヒロさんのスタンスは、生活の一部として二人で音楽をやっていて、時に島のイベントに参加できれば、それで十分満足で楽しいというものだったという。
  •  しかし、そうこうしているうちに、応援してくれる人たちの後押しもあって、2010年メジャーデビューを果たした。メジャーデビュ―のミニアルバムのタイトルは、まわりの人々への気持ちを歌った「感謝」。その後、ライブ、アルバム発売と活躍の場を広げている。2013年6月には音楽に専念するために、10年間働いた製糖会社も退職した。
  •  タツヒロさんは、専門学校時代、ミュージシャンへの夢をいだきながら、新聞配達をしていた。満員電車が嫌いだったので、配達を終わってそのまま学校へ、朝6時前には着いていたという。
  •  島を拠点にという気持ちは変わらないが、後輩には島の良さを知るために、一度島を出ることを薦める。都会での生活経験もまた、今のタツヒロさんを育てる糧となっているのかもしれない。  今、新聞配達をしながら君たちはどんな夢を追いかけているのだろうか。新聞奨学生ガイドはその夢の実現を応援しています。
    新聞奨学生ガイドも、日々夢に向かって走る君たちを応援しています。
  • *新聞配達をした著名人を知っている方はぜひ編集部までお知らせ下さい!
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