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若手声優のホープ|河本啓佑

第34回コラム

  •  河本啓佑さんは28歳の声優。『勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。』『東京ESP』といった人気アニメ作品でメインキャストの声を担当、『宇宙戦艦ヤマト2199』では土岐鮎斗役を務め、2015年1月スタートの『ISUCA』(TOKYO MXやtvk、テレ玉、チバテレなどで放映予定)でも主役を任されるなど活躍し、若手のホープとして期待されている。
  •  小さなころからアニメ好きだった河本さんが、声優を将来の職業として意識したのは高校2年の夏。当時、熱中していたガンダムシリーズのアニメ『機動戦士ガンダムSEED』に魅せられてのことだった。親や先生には「そんなに甘い世界じゃない」と声優の道へ進むことに反対される。そこで特に親を説得するために、「お金のことで家族に迷惑はかけない」と新聞奨学生という選択肢を選び、岡山県の実家から大阪府の寮へ出て声優養成の専門学校に通った。2年間の専門学校生活では、新聞奨学生の仕事とレッスンを両立し、成績優秀で卒業を迎えた。
  •  デビュー10年足らずで声優業以外にもラジオ番組に出演するなど豊富なキャリアを誇る河本さんだが、声優デビューの日のことは忘れられないそうだ。担当するのはウィザードCという“その他大勢”のチョイ役で、セリフも“ウァー”というようないわゆる「やられ」セリフのみ。それでも何通りもの声のパターンをつくって収録の現場に乗り込んだが、いざ本番になると緊張のあまり頭が真っ白になり、記憶がなくなってしまったとのこと。しかし、「この状態からどこまで昇っていけるかと思ってワクワクした」というから河本さんもタダ者ではない。
  •  日々の声優の仕事では、学生のころの憧れの存在だった有名声優と組むこともしばしば。「あの作品に出演されていた方の、実際の演技を見られるなんて!」などと感激することも少なくない。しかし、同じ土俵に立つプロ同士として、そんなミーハーな素振りは見せず平静を保つよう気をつけているという。
  •  仕事がオフのときでも自己研鑽に励んでいる河本さん。テレビドラマを見ていて「この役者さんのように顔をあんな角度にしてしゃべると、あんな声が出せるのか」と思ったり、バラエティ番組から「あの芸人さんのしゃべりのテクニックは、自分のラジオ番組でも使える」などと考えたりしながら日々、自分を成長させている。
  • そんな河本さんから新聞奨学生のみなさんに「新聞奨学生の仕事は苦しいときもあると思いますが、その先に夢が待っているのでやりきってほしい。自分自身も仕事で辛いことや大変なことがあっても、あの厳しかった新聞奨学生の経験に比べればなんということはない、と自信になっています」との言葉をいただいた。河本さん担当のマネージャーさんも「新聞奨学生出身の声優は根性が違う」と太鼓判を押す。 そう、新聞奨学生をやり切るということは、世間から性根のすわった人材という評価が得られるということでもある。新聞奨学生のみなさんにも、そんな一面に気づいてがんばってほしい。
  • 河本啓佑さんのTwitter
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