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人気の大河ドラマ『真田丸』で真田昌幸役を好演|草刈正雄

第38回コラム

  •  草刈正雄さんは1950年代生まれの俳優。人気の大河ドラマ『真田丸』では、堺雅人さん演じる主人公・真田信繁(幸村)の父・真田昌幸役を好演し、話題となっている。草刈さんのお父さんはアメリカ人、お母さんは日本人だが、草刈さんがお母さんのお腹の中にいるときに、お父さんが朝鮮戦争で戦死。2014年6月に発行されたスポーツ紙『スポーツニッポン』の特集企画によれば、お父さんが亡くなったことで苦しくなった家計を少しでも楽にしようと、草刈さんは小学生のころから新聞配達と牛乳配達の仕事をかけもちしていたという。今ほど、女性が働いてお金を稼ぐということが簡単ではなく、お母さんが収入を得ることが難しかった時代の話だが、それでも草刈少年が学校と両立して仕事をしていたのは並大抵のことではない。
  •  17歳で上京した草刈さんは、最初、モデルとして活躍。数年で俳優の仕事をはじめると、180センチを超える長身と、これぞ二枚目というルックスで、たちまち売れっ子になった。しかし正統派の二枚目俳優として認識されていた草刈さんに、年齢の壁が立ちはだかる。40歳近くなると、さすがに若い二枚目の役は新しく出てきた新人俳優に務めるようになり、草刈さんの仕事が減ってきたのだ。草刈さんは悩みながらも、悪役や脇役など新境地を開拓していく。そうした努力もあって、今日では日本で知らない人はいないといってもいいほど、著名な役者の一人となった。一方、2015年に転落事故で長男を亡くすというアクシデントにも見舞われている。
  •  冒頭でも述べた『真田丸』では、敵の暗殺や謀略などをいとわない冷徹な武将とされている真田昌幸を、どこか憎めない暖かみのある人物として描き好評を博しているが、それは人間味あふれる草刈さんの演技に頼るところが大きいだろう。また、番組の宣伝の意味合いもあって出演したバラエティ番組で見せた、一般の人々に気さくに語りかける人柄などもあって、若者の人気も集めている。そうした草刈さんの懐の深さは、数々の苦難を乗り越えたからこそ得られたものだといっていいだろう。
  •  新聞奨学生のみなさんも、今は大変な苦労をしているはずだ。しかし、それを乗り越えれば人間的にも大きく成長できると考えて、もうひとがんばりしてみてはどうだろうか。
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